プロフェッショナルな美容師は、物事の根本を見据えています!

その道のプロは、常に物事の本質を見抜き、根本を見据えています。美容師も同じです。絶対に合わない髪形と思われる人に、髪質からも無理だろうと思われるものを顧客に要求されたからといって、無理やりそちらに合わせていくのは、プロの美容師とは言えません。プロから見て、もっとに合う髪形があるのなら、顧客にそれを教えるのもプロの仕事だと私は思っています。無理矢理でも顧客の希望に合わせる場合は、顧客が、美容師の意見を求めていません、似合わなくても自分の思い通りにする美容師を求めていますという時だけです。

私の友人に、美しいストレートヘアの人がいました。その人は美容室に行くのにわざわざストレートに磨きをかけてサラサラにして出かけたようです。その姿は自分の美しい髪の毛を美容室に自慢に行くといった感じです。しかしプロ中のプロの美容師はそのサラサラ髪を触るなり「癖毛ですね」との一言。彼女のプライドはガラガラと崩れましたが、やはり自分でも考えていなかった展開に心打たれたんだろうと思います。ずっと通っています。

私はその美容師と知り合いだったので、サラサラヘアが自慢でプライドが高いとわかる顧客に、癖毛だといえば、気分を害するとは思わなかったのか?と聞きました。その美容師は、そうだからそうだと言っただけで、ハッキリ言われるのが嫌ならもう来ないはず。来なくなっても自分の範疇以外の部分に気を使いながらその人らしさを再構築するのは自分には無理。だから来ないなら来ないで仕方ないという返事でした。自分を理解してくれる顧客だけが来店してくれればいい。

この考え方が職人ですよね。その美容師は、親しくなればなるほど気を使ってくれます。言葉も選びながら似合わない髪型の説明や、残念だけど食べ物から元気になる見込みのない髪質なのでトリートメントを毎回させてもらいますが大丈夫ですか?等々、もちろん元気な髪質の人に無駄にトリートメントをしたりしません。本人が頼めばします。さらに、顧客がリラックスできるような人材をスタッフに入れています。

スタッフ自身が持っている雰囲気、お客さんに気を遣わせるタイプかどうか、人を使う側にいる人は、そこに来る顧客よりもスタッフがいかに自由にのびのびと、かつけじめを持って仕事ができるかでお客さんもリラックスできると考えています。この考え方は心理的にみてもその通りで、スタッフをまとめているが窮屈ではない、自分の存在が緊張をもたらすこともない、しかし自分は志が高い。このことがスタッフからの信頼を集めます。

結果、スタッフ一人ひとりが経営者の考え方となり、”任せられる“一人になります。同じ任せられる一人に育てるにも、厳しく教育するのとでは、スタッフのストレスも違いますし、その後の伸びしろにも大きく影響してきます。いつでも独立できるように人材を育てることは、自分も大きく成長することになるという根本がわかっている人なんですよね。

毛先の切り方を知っているだけの美容師より、髪質、頭皮、人体、社会の仕組みなど、すべての根本を理解している美容師に自分の頭は任せたいと思います。それは勉強熱心な美容師という事とは少し違います。ひとつのことの根本が理解できている人は、すべてにおいて同じパターンが適用されることが分かっているのです。だから自信があり、確信に満ち溢れているのです。それでいて謙虚なのが本物の魅力ですよね。